基本マナー
参列者が喪服を着ることは一般的に
喪服は、もともとは遺族だけが着るものでした。現在では死者に対する礼儀、また、死を悼む気持ちを表す意味で、葬儀に参列する全ての人が喪服を着ることが一般的です。通夜の場合も、一般会葬者は地味な服装でかまわないのですが、最近は喪服を着て参列する人が多くなってきています。遺族や近親者は、通夜、葬儀・告別式を正式礼装で臨むのが基本ですが、若い人の場合は準礼装でもかまいません。また、一般会葬者として葬儀、告別式に参列する場合、略礼服でもかまいません。女性のパンツスーツも、以前はカジュアルなフォーマルには向かないとされていましたが、カジュアルな素材やデザインを避け、きちんとしたジャケットなどと合わせれば略礼服になります。正式礼装は、洋装と和装は同格です。女性の正式礼装は、洋装では無地のスーツやワンピース、アンサンブルなど。和装では黒無地染め抜き五つ紋つきが正式礼装です。男性の場合、現在は遺族も準礼装のブラックスーツの着用が一般的です。
女性の洋装
正式礼装は黒無地のスーツやアンサンブル、ワンピース。透けたり、光沢のある素材は避け、えり元が詰まったもので、長袖、スカートはひざ下丈のものを。夏冬兼用のアンサンブルは便利ですが、半袖の場合は長めにし、夏でも葬儀のときには上着の着用が原則です。アクセサリーは結婚指輪以外、つけないのが正式です。
男性の装い
現在は遺族や近親者、一般会葬者まで、通夜。葬儀・告別式を通じて略礼服のブラックスーツの着用が多くなっています。喪主と世話役代表は同格の装いにします。
子どもの装い
男女とも幼稚園や学校の征服がある場合、制服が正式礼装となります。制服がない場合は、黒や紺などの地味な色の服装にします。夏は城いシャツやブラウスに、黒や紺などの地味な色のズボンやスカートでよいでしょう。遺族で制服を着用しない場合、喪章をつけます。赤ちゃんも極力飾りのない地味な服を着せます。
仏式では抹香による焼香を行う
仏式の通夜。葬儀・告別式では抹香による焼香が行われます。宗派により多少の違いはありますが、作法の基本を覚えておきましょう。焼香は立って行う場合と、座って行う場合がありますが、基本は同じです。会場が狭い場合では、盆にのった香炉と抹香を参列者に順番に回して焼香する「回し焼香」を行うこともあります。仏事に欠かせない数珠は、自分の宗派のものを持参してかまいません。使わないときは左手で持つか左手首にかけ、どんな場合でも、畳やいすに直接おかないように。
仏式 抹香焼香の作法
抹香は右手の親指と人さし指、中指の3本で軽くつまみ、目の高さまで捧げてからおろし、静かに香炉にくべます。回数は宗派により異なります。参列者が多い場合は1回でもかまいません。焼香後は静かに合掌し、僧侶、遺族に一礼してから席に戻ります。
神式 拝礼の作法
神式の通夜や葬儀では、玉串拝奠の儀が行われます。玉串とは榊の枝に紙垂れという紙片を下げたもので、祭壇に捧げて故人の霊が安らかであることを祈ります。玉串拝奠の拍手は、死後1年目の一年祭までは手のひらを合わせる寸前に止め、音を立てない「忍び手」で行います。
キリスト教式 献花の作法
キリスト教の通夜・葬儀では白い花を捧げる「献花」が行われます。また、最近は無宗教形式の葬儀やお別れ会などでも「献花」が行われることが増えています。花は白いカーネーションや菊が多く使われます。花は化ならzす両手で持ち、根元が祭壇を向くように捧げます。
香典を包む不祝儀袋は空いての宗教に合わせたものを
不祝儀袋とは、葬儀や法要などの弔事に、現金を包むのに使うものです。弔事では水引の結び方は「不幸が二度とないように」とほどけない結び切りを使います。のしはつけません。不祝儀袋は相手の宗教によって包みの種類や表書きが違ってきます。葬儀のときの表書きは、仏教では「御香典」「御香料」。「御仏前」は四十九日以降の法要に使います。神式では「御玉串料」「御榊料」、キリスト教式では「お花料」など。相手の宗教がわからないときは「御霊前」としておけば、どんな宗教でも通用します。
通夜・葬儀
納棺と通夜の準備
祭壇ができたら通夜の前に納棺
納棺の前に着せる服が「死装束」です。かつては白い経帷子を着せ、手足に手甲脚絆をつけ、白足袋、六文銭の入った頭陀袋を首から下げて、手に数珠を持たせるのが一般的でした。いまは、納棺時に葬儀社が用意した布あるいは紙製の略式の経帷子をかけることが多くなっています。納棺は葬儀社の手を借りて、近親者で行います。葬儀社にすべてまかせることも多いようですが、できれば遺族にもかかわりたいものです。棺におさめたあと、故人が愛用していた服や着物をかけるときは、死装束の上からかけます。また、棺の中に故人の愛用品や愛読書などを入れますが、金属製やガラス製のものなど燃えにくいものは入れるのを控えます。
通夜の席次、焼香の順序を決めておく
故人との縁の深い人が集まり、故人に別れを告げ、冥福を祈るのが通夜です。本来は夜を通して故人に付き添い、最後の時を過ごすためのものでした。現在では、午後6〜7時ごろから2時間程度に時間を限って行う「半通夜」が一般的です。通夜の席次は、喪主が棺のそばにつく以外、はっきりとした決まりはありませんが、席順に従って焼香するので、席を決めるときは配慮が必要です。一般的には、祭壇に向かって右側に喪主、遺族、近親者が血縁の深い順に座ります。左側には世話役代表、友人、知人、職場関係者が座ります。祭壇の正面後方が一般弔問客の席になります。焼香の順序にも決まりはありません。たとえば父親が亡くなって、母親が喪主になった場合は、喪主が最初に焼香し、つづいて長男夫婦、長男の子供たち、長男の兄弟とその子のように、家族単位で行うのが一般的です。結婚して姓の変わった兄弟も、故人と縁の深い順に焼香しますが、このときもその配偶者、子供とつづきます。
通夜を執り行う
通夜の受付は30分前に開始する
僧侶には、通夜の始まる30分前には到着してもらえるよう、世話役が迎えに行きます。僧侶が到着したら、控え室に案内し、茶菓子でもてなします。通夜の前に、世話役代表は僧侶に祭壇の飾り方などを確認してもらい、説教や法話の有無についてや通夜ぶるまいを受けてくれるかどうかを確認します。通夜の弔問客の受付は、通夜開始の30分前から始めます。喪主、遺族は身支度をととのえ、通夜の始まる15分前に着席し、僧侶の入場を待ちます。
読経のあと、焼香と続く
通夜は参列者一同が着席したあと、僧侶が入場し、読経、焼香の順で進行します。僧侶が入場し、読経が始まると、30〜40分つづきます。参列者は故人の冥福を祈りながら静かに聞きます。読経が終わると、僧侶がまず焼香します。つづいて喪主、遺族、近親者が席順に、そして一般弔問客が祭壇に進んで焼香します。焼香は読経の途中から行うこともありますが、いずれも僧侶の案内に従います。弔問客の黙礼には、遺族は座ったまま黙礼でこたえます。会場が狭い場合は、香炉を回して焼香する「回し焼香」を行うこともあります。読経の後、僧侶が「法話」や「説教」をすることがあります。全員の焼香が終わると、僧侶が退席し、通夜の式次第が終了します。僧侶が退席した後、喪主は弔問客にあいさつをします。
通夜ぶるまい
故人の供養、弔問のお礼のための通夜ぶるまい
通夜で僧侶が退出した後、喪主があいさつをします。あいさつは「通夜に参列してもらったお礼」「死去の報告」「生前の厚誼への感謝」を手短に言葉にし、通夜ぶるまいの席に誘います。最後に「翌日の葬儀の案内をする」というのが一般的です。通夜ぶるまいの席は、個人への供養とともに、弔問へのお礼のしるしとして設けられます。酒宴になることもありますが、最近は簡単に1〜2時間程度ですませることが多いです。「お清め」の意味で日本酒やビールなどの酒を用意しますが、弔問客に一とおり行き渡る程度の量でよいでしょう。食べ物もかつては精進料理を用意しましたが、最近は刺身や寿司なども出されます。通夜ぶるまいの予定時間が少し過ぎたら、喪主か親族代表、または世話役代表は、通夜がとどこおりなくすんだお礼を述べ、手短にあいさつします。
通夜後の僧侶のおもてなしとお礼
僧侶が通夜の読経を終え、控え室に戻ったら、茶菓子でもてなします。通夜ぶるまいの準備ができたら案内して、上座についてもらいます。僧侶が通夜ぶるまいを辞退する場合は、食事のかわりの「お膳料」と「御車代」を包んで渡します。御車代は、喪家が送迎用の車を用意した場合でも、渡すのが普通です。どちらも白封筒を使います。このときに、通夜の分の「御布施」を渡すこともありますが、一般的には葬儀が終わってから、すべてのお布施を一括して渡します。
通夜での僧侶、弔問客の出迎えと見送り
通夜では喪主や遺族は、僧侶や弔問客を出迎えたり見送ったりするために席を立つことはしません。出迎えも見送りも、席に着いたままでかまいません。たとえ目上の人でも、出迎え、見送りは世話役にまかせます。
香典の整理と保管
香典の管理には充分な注意が必要です。通夜の最中は人の出入りが多いので、受付係は目の届くところにきちんと保管しておかなければなりません。初対面の人たちで受付係を務めることも多いので、香典泥棒が受付係りになりすますこともあります。受付係は最初に自己紹介し合い、喪家との関係をあきらかにしておきましょう。受け取った香典は香典帳に記帳し、整理が終わったら遺族が保管するようにします。
葬儀・告別式の準備
弔電、弔事、あいさつなど式次第の細部の確認を
通夜が終わったら、喪主、世話役は、葬儀社と翌日の葬儀の式次第について、こまかく打ち合わせをします。司会者を決め、弔辞の順番を確認します。弔辞は故人と親しかった友人や職場の同僚や直属の上司など、2〜3名に依頼します。遺族が弔電に目を通し、葬儀で紹介するものを選び、順序を決め、名前や肩書きなど読み違えがないよう、仮名をふるなどします。供物、供花を並べる順序は喪主がチェックします。喪主や世話役代表など、だれがどの場面で、どのような内容のあいさつをするか、また、出棺のときに、遺族のだれが棺を運ぶかも、決めておきます。遺族や近親者以外で、火葬場に同行してもらいたい人がいれば、あらかじめ了承を得ておきます。葬儀、告別式の席順は基本的には通夜のときと同じです。焼香は通夜同様、席次の順で行いますが、地域によっては名前を読み上げる指名焼香のところもあります。
葬儀・告別式を執り行う
葬儀とは故人を成仏させる儀式。告別式とは別れの式
葬儀と告別式は、本来、別の意味をもっています。葬儀は遺族、近親者が故人をあの世へ送り、成仏させる儀式です。告別式は、故人と親交のあった人たちが、最後の別れを告げるものです。正式には葬儀後、いったん僧侶は退席し、あらためて入場して告別式を行いますが、最近では葬儀に引き続いて告別式を営むことが多く、2つをまとめて営むことも有ります。式次第は宗派や規模によって多少の違いはありますが、葬儀、告別式の進行は例のようになっています。
葬儀では死者に「引導」を渡し、仏の道に導く
喪主をはじめ、遺族、近親者、世話役など、葬儀に出席する人は、葬儀開始の10分前には着席し、僧侶の入場を待ちます。僧侶が入場し、開式の辞のあと、読経が始まります。このとき、死者を悟りの世界へ導くための「引導」が渡されます。引導とは死者を仏の道に導きいれることですが、引導を渡す作法は宗派によって違います。葬儀に加わる僧侶の中で最も位の高い僧侶を「導師」と呼び、この導師が引導を渡します。葬儀で、最も重要な部分です。葬儀と告別式を分けないで行う場合は、僧侶の焼香につづき、喪主、遺族、近親者が焼香した後、一般会葬者の焼香に移ります。喪主、遺族は一人一人に黙礼をします。会葬者の焼香が終わると僧侶は退席するので、会葬者は一礼して見送ります。その後、司会者は閉式の辞を述べ、一般会葬者に「出棺の用意ができますまで、控え室でお待ち下さい」と案内します。
葬儀・告別式の進行例
- 参列者の着席
喪主、遺族、親族は定刻の10分前に式場に入り、席に着く。つづいて葬儀委員長、世話役、一般会葬者が着席する。 - 僧侶の入堂
参列者が着席したら、世話役が僧侶を控え室に迎えに行き、式場に案内する。僧侶が入場するときは、参列者は起立するか軽く頭を下げて迎える。 - 開式の辞
- 読経、引導
読経が始まる。宗派によって異なるが40〜50分くらい。 - 弔辞の拝受、弔電の紹介
司会者が弔辞を依頼した人の氏名を「○○様」と呼び上げ、弔辞がささげられる。弔電は全文を紹介するのは数枚にし、あとは氏名だけを読み上げるか、枚数を紹介する。弔電の拝受、紹介を行わない場合もある。 - 焼香
僧侶が焼香した後、読経のうちに僧侶あるいは司会者の合図によって、喪主から席次の順に焼香する。 - 一般会葬者の焼香
遺族は会葬者のほうを向き、焼香をすませた会葬者に黙礼する。 - 僧侶退堂
会葬者の焼香が終わると僧侶は退堂する。接待係は控え室で茶菓子で僧侶をもてなす。 - 喪主の挨拶
遺族や遺族代表が簡単に会葬のお礼を述べる。このあいさつを省き、出棺の際のあいさつだけのこともある。 - 閉式の辞
司会者が閉式の辞を述べて告別式は終了する。出棺準備へとつづく。
最後の対面・出棺
「別れ花」で遺体の周りを飾り、別れを惜しむ
告別式が終わると、葬儀社の手を借りて、近親者や友人が棺を祭壇からおろし、頭が北を向くようにおきます。棺の蓋をあけて、遺族、近親者、親しい友人、知人など、故人と縁の深い順に最後の対面をします。別れに際しては、祭壇に供えられていた生花の花の部分をつんだものを棺に入れ、遺体の周りを花で飾ります。このとき、故人の愛用品を棺の中に入れることもありますが、眼鏡など、金属製やガラス製のものは火葬のときに遺骨を傷つけるおそれがあるため控えます。最後の対面が終わると、棺に蓋がされ、「釘打ちの儀式」が行われます。これは棺の蓋に葬儀社が半分打ち込んだ釘を、喪主、遺族、近親者、友人、知人の順に、こぶし大の小石でコツコツと軽く2回ずつたたいていくものです。くぎ打ちを必要としない棺もあります。葬儀社の人が、くぎを完全に打ち込んだら、棺を霊柩車まで運びます。遺族、近親者、親しい友人の男性6人ほどの手で棺を抱え、遺体の足の方を先にして運ぶのが一般的なしきたりです。式場から霊柩車まで離れている場合は、喪主が位牌を持って先頭に立ち、喪主に次ぐ遺族が遺影を持ってつづき、棺を先導します。
出棺のあいさつは誰がするか
出棺のあいさつは喪主や親族代表がすることが一般的ですが、喪主ではない配偶者が一言参列者にお礼を言ったり、故人にあいさつのできるような年長の孫がいれば、短く故人との思い出を語るなども考えられます。参列者にとっても、遺族にとっても心に残る挨拶となるでしょう。
出棺前、喪主が会葬者にお礼の挨拶をする
棺を霊柩車におさめたあと、火葬場へ向かう前に、喪主または親族代表が、出棺の見送りをしてくれる会葬者へ御礼の挨拶をします。
あいさつは、
1.自分と故人との関係
2.会葬のお礼
3.生前、故人がお世話になったことに対する感謝の思い
4.今後の遺族への支援のお願い
などの言葉をつづけます。さしさわりがなければ、個人の病名や死因、闘病中や死に際しての様子などを伝えてもようでしょう。喪主が挨拶に立つ場合は、挨拶が行われている間、喪主の代理が位牌を、それに次ぐ遺族が遺影を持ち、遺族全員が会葬者の方を向いて並びます。あいさつが終わったら、遺族は会葬者に深く一礼します。
法要とお盆・お彼岸
葬儀後の法要
死者のご冥福を祈り、霊を慰める法要
法要は法事ともいい、使者の冥福を祈り、その霊を慰めるために行う儀式です。仏式では、葬儀後、「初七日」の儀式をはじめとして、7日ごとの追善供養、一周忌以降の年回忌法要などの儀式を執り行います。
初七日から一周忌までに行う法要
仏教では人が亡くなってから7週間(49日間)は「中陰」といい、死者が現世と冥土の間をさまよっているといわれます。その間に供養することで、死者の霊が無事に極楽浄土に行き、成仏できることを願います。死亡した日から7日目が「初七日」です。最近では、初七日法要は葬儀の後の遺骨迎えとあわせて行うことが多くなっています。それ以降の四十九日までの法要と、百か日の法要は、僧侶の読経も省いて内輪だけですませるのが一般的です。四十九日は「満中陰」といい、冥土ではこの日の審判で死者の運命が決まるとされる重要な日なのです。四十九日の法要は、一周忌までの法要の中でも、最も重要な忌明けの法要であり、死者の成仏を願って、遺族が近親者、友人、知人を招いて行います。納骨もあわせて行うことも多いようです。四十九日の法要では、僧侶に読経をしてもらい、式終了後は精進落としの料理でもてなしをします。
なお、三十五日を忌明けとする地方も有ります。
年回忌法要は一般的には三十三回忌まで行う
死亡した同月同日の命日を「祥月命日」といい、毎月の死亡した日と同じ日を「月忌」とよびます。年回忌法要は祥月命日に行う法要です。死亡した翌年に行うのが一周忌、その1年後が三回忌で、二回忌はありません。三回忌以降はなくなった年を含めて数え、七回忌、十三回忌、十七回忌、二十三回忌、二十七回忌、三十三回忌、五十回忌、百回忌とあります。宗派にもよりますが、一般的には三十三回忌までで切り上げることがほとんどで、これを「弔い上げ」と呼びます。その後は先祖代々の法要としてまとめて営みます。一周忌は、近親者や友人、知人などを招いて行います。故人亡き後の遺族の様子を知ってもらう意味も有ります。一般に、三回忌ぐらいまでは近親者や友人、知人を招きますが、七回忌以降はしだいに招く人をしぼり、内輪で営みます。
法要を営む
規模の大きな法要は2ヶ月以上前から準備を
法要では僧侶に読経してもらい、式の終了後には会食の席を設け、僧侶と招待客をもてなします。四十九日や一周忌、三回忌など、規模の多き法要を営むときは、万全の準備が必要となります。できれば2ヶ月以上前から準備を始めましょう。
準備
- 年回忌法要は原則として祥月命日に行いますが、日をずらす場合は、必ず命日よりも前にします。
- 寺院、自宅、斎場など、どこで行うかを決めます。最近ではホテルなども会場として使われます。
- 招く人の範囲と人数を決めて、1ヶ月前までに案内状を送るか、電話で連絡し、出欠の返事を貰います。
- 引き物の手配をします。引き物には黒白か銀色の結び切りの水引の掛け紙をし、表書きは「粗供養」「志」などとします。関西では「茶の子」の表書きも使われます。
- 法要の後の会食の会場や料理を手配します。
- 寺院への謝礼は、奉書紙に包むか白封筒に入れ、表書きは「御布施」「御礼」とし、法要の前にあいさつをするときに渡します。
僧侶に自宅や霊園まで出向いてもらう場合は、送迎するしないにかかわらず、「御車代」を包みます。また、宴席に供応しない場合は、「御膳料」を包みます。卒塔婆供養をする場合は、あらかじめ寺院に申し出て料金を確かめておき、「御塔婆料」「御卒塔婆供養料」として、「御布施」とは別に包みます。
三回忌までは喪服を着用。進行は僧侶の指示に従う
施主側は三回忌までは正式な喪服を着用します。それ以降は地味な平服でかまいませんが、施主側が一般の参列者よりもくだけた服装にならないようにします。案内状には「平服でお越し下さい」など、一言触れておきましょう。当日の進行は僧侶の指示に従います。読経の途中で僧侶から焼香の合図があるので、施主側の代表者から、故人と血縁の深い順に焼香します。墓参りを済ませ、法要後の会食の席に移ります。会食の前には施主または遺族代表が御礼のあいさつをします。
法要に招かれたら
招かれたら出席を。香典・供物料を包むのが一般的
法要に招かれたときは出席するのが原則であり、案内状が届いたらすぐに返事を出します。また、法要はあくまでも招かれたら出席するものであり、どんなに親しくても、自分から日時や場所を問い合わせるのはマナー違反です。当日は不祝儀袋に現金を包むか、供物を持参します。供物は専攻、生花、果物、菓子など、故人が好んだものですが、現在は現金を包むことが多いようです。現金を包む場合、不祝儀袋は一周忌までの法要は黒白または双銀の水引を使いますが、三回忌以降は黄白や青白の水引のものを使っても良いでしょう。表書きは「御仏前」「御供物料」「御香料」などとし、必ずふくさに包んで持参します。
欠席する場合は供物か供物料を送る
やむをえない事情で欠席するときは、案内状の返信におわびの一文を添えるか、電話でお詫びをします。法要の前日までに届くように、供物料か供物、供花などを送ります。
当日の挨拶と出席するときの服装は
当日は法要の始まる20〜30分前には到着し、まず遺族にあいさつをします。あいさつは「本日はお招き頂きまして恐れ入ります。ご一緒にご供養させて頂きます。」など。「ありがとうございます。」という言葉は控えます。このとき「ご仏前にお供え下さい。」と言って、供物料を渡します。服装は、四十九日や一周忌など、一周忌までの法要には喪服に近いものを着ますが、それ以降は黒ではなく地味な平服でかまいません。案内状に「平服で」と記されているときも黒ではなく地味な平服にします。
墓参りの時期と作法
墓参りはお彼岸、お盆、故人の命日などに
墓参りの時期に決まりはありませんが、仏式の場合、春秋のお彼岸、お盆、故人の祥月命日、年回忌法要、年末などに行います。月忌にも墓参りをすることがあります。とはいえ、この時期に限らず、故人や先祖に何か報告したいことがあるときなど、機会あるごとにお参りをしたいものです。
お参りの前にはお墓の掃除を行う
寺院墓地の場合は、まず、住職にあいさつをし、本堂に参堂してから墓参りをします。墓地では、最初に掃除を行います。手桶、ひしゃく、ほうきなどは、たいてい寺院や霊園の管理事務所で借りられますが、それ以外の掃除用具、たわし、はさみ、植木ばさみ、タオルなどは持参します。線香に火をつけるためのマッチや着火道具、ろうそくも忘れないようにしましょう。お参りのときに使う数珠も持っていきます。
掃除の手順
- 墓石にひしゃくで水をかけ、たわしで汚れや苔を落とす。
- 汚れが落ちたら水洗いをしたうえで、タオルで水気をふき清める。
- 水鉢をすすいで、綺麗な水を満たす。
- 伸びすぎた植木は刈り込む。
- 墓地内の落ち葉や雑草、ごみを取り除き、掃き清める。
- 古い卒塔婆は管理事務所に頼んで処理してもらう。
花や供物、線香を供えてお参りをする
墓が綺麗になったら、花や供物、線香を供えます。供物は故人が好んだ菓子や果物を供えます。線香は束のまま一度に火をつけて線香立てに供えますが、墓参りの人数に分けて、それぞれが線香を供えてお参りする方法も有ります。手桶には新しい水をくんできます。お参りは故人との縁の深い順に行います。お参りは、まず、墓石にひしゃくで水をまんべんなくかけます。墓石に水をかけるのは、仏の喉を潤すとともに、清めの為と言われています。水をかけたら数珠を手にかけて、合掌します。
果物や菓子などの供物は持ち帰る
墓地内に祖先の墓が並んでいる場合は、古い祖先の墓から拝んでいきます。なお、果物や菓子などを供えるときは、あとで鳥などに食べ散らかされたり、腐敗して墓を汚すことのないように、お参りが済んだら持ち帰りましょう。
お盆の迎え方
お盆の時期は地方によって違いがある
お盆のことを正式には「盂蘭盆会」といいます。盂蘭盆会は、「さかさづりの苦痛から救われる法会」という意味です。お盆には先祖の霊が戻ってくるといわれています。お盆の時期は、一般には7月13日を「お盆の入り」とし、16日の「お盆明け」までの4日間をいいます。旧暦の7月、または1ヶ月遅れで、8月にお盆の行事を行う地方も有ります。
精霊棚を設け、迎え火をたいて先祖の霊を迎える
お盆を迎えるにあたっては、仏壇を綺麗にし、お盆の入りの前日には精霊棚を設けます。仏壇の前に小机や台を置き、真菰や、すのこを敷いて簡単な精霊棚とすることがほとんどです。精霊棚には位牌や三具足をおき、季節の果物や野菜を供えます。先祖の霊は、来るときはきゅうりの馬に乗り、帰るときはナスの馬に乗る、という言い伝えが有り、きゅうりやなすで作った馬や牛の飾り物を作って供えるのも、昔からの慣わしです。13日の夕方には先祖の霊が迷わないように、庭先や玄関先におがらで迎え火をたきます。墓地に近い場所は、墓参して盆灯籠に火をつけて迎えます。16日の夕方には迎え火と同じ場所で送り火をたいて霊を送ります。
亡くなって初めて迎える「新盆」の迎え方
人が亡くなって初めて迎えるお盆を新盆といいます。新盆は故人の霊が初めて帰ってくるときなので、近親者や友人が集まって、ていねいに供養しましょう。僧侶に読経をしてもらい、墓参りをします。卒塔婆供養も忘れずに行いましょう。また、霊が迷わないように軒先か仏壇の側に提灯を飾り、夜には明かりを入れます。なお、忌明け前にお盆を迎える場合は、翌年を新盆とします。
春分の日、秋分の日を中心とした7日間がお彼岸
3月の春分の日と9月の秋分の日を中日として、その前後3日ずつを合わせた7日間が「彼岸会」の時期になります。初日を「彼岸の入り」、終日を「彼岸の明け」と呼びます。お彼岸は迷いの多い現世から悟りの彼岸に渡るために、精進努力する期間をいいます。また、極楽浄土は西方にあるといわれますが、太陽が真西に沈むお彼岸の時期は、あの世とこの世が交流できる時期として祖先の霊を供養する仏事が行われるようになりました。
お彼岸にはぼたもち、おはぎを供え、墓参りを
お彼岸には特に決められた行事は有りませんが、この期間、各寺院では彼岸法要が営まれます。各家庭では、おだんごやぼたもち、おはぎなどを作って仏壇に供え、先祖を供養し、墓参りをします。
お墓とお仏壇
墓地と墓石
墓地の購入とは 永代使用権を得ること
墓地の購入は、宅地を購入するときのように所有権を得るのではなく、墓地の「永代使用権」を手に入れるということです。したがって購入時に支払う代金は「永代使用料」(墓地使用料ともいう)であり、購入後も管理料の支払いが必要になります。「永代使用権」には期限がなく、代々、子孫が受け継いでいくことができます。法律でもその墓を守る者に対し「墓地使用権」の相続が認められています。しかし、第三者に売ったり、墓地以外の目的として使うことはできません。墓地は経営形態や特徴などから大きく3つに分かれます。
- 寺院墓地
宗教法人である寺院が管理、運営する墓地で、利用できるのは檀家。 - 公営墓地(霊園)
各都道府県や市区町村などの自治体が管理、運営する墓地。宗教、宗派を問わず、管理料や利用料が安い。 - 民営墓地(霊園)
民間企業や財団法人、宗教法人などが開発、管理、運営する墓地。規模も大きく、法要のための建物を設置するなど、施設面でも充実している。宗教、宗派を問わないところも多い。一般に永代使用権が高い。
墓地を購入する際には、石材店、霊園、墓地を扱う百貨店などで情報を集めて検討し、現地を下見します。
完成時には 「入魂式」を行う
墓が完成したときには僧侶を招き「開眼式」(「御霊入れ」「入魂式」ともいう)を行います。これは墓に魂を入れる儀式です。
先祖の墓の改装
先祖代々の墓を移すために 新しい墓所を探す
「先祖代々の墓を、現在の住まいの近くに移したい」という人がふえています。墓を承断する家族のためにも管理しやすくお参りしやすい場所に移しておきたいところでしょう。また、両家墓にしたい場合も、一方の墓を移す必要があります。墓を移すということは、遺骨を墓所から墓所へ埋葬し直すことで、改葬といいます。改葬するためには、まず新しい墓所を求めなければなりません。墓所選びには、場所や予算(墓地使用料・管理料)はもちろん、宗教・宗派同じか、遺骨は全部入る大きさか、なども考慮します。新しい墓所を購入したら、墓所の管理者に受け入れ証明を発行してもらいます。すでにある墓所の管理者には、移転(改葬)の許可を得ます。公営墓地、民営墓地は霊園管理事務所に問い合わせ、手続きを進めます。寺院墓地の場所は住職に申し出ますが、一般に、住職は改葬を快く思わないことも多いようです。寺院墓地の場合、遺骨を移すということは檀家を離れるということなので、了解をもらうには多少月日を要することもあります。ていねいに事情を説明し、承諾を得るようにしましょう。いずれにしても、改葬の手続きは業者に代行を依頼することはできません。
改葬の手順
- 新しい墓所を購入する
- 新墓所の管理者に受け入れ証明書を発行してもらう
- 旧墓所の管理者に移転(改葬)の許可を得る
- 旧墓所のある市区町村役所から改葬許可を得る
- 旧墓所の御魂抜き供養後、遺骨を取り出す
- 旧墓所を更地にする
- 新墓所の御魂入れの開眼法要後、納骨する
お墓のある市区町村役所で改葬許可証を得る
既存の墓から新しい墓へ遺骨を移転させるには、墓のある市区町村役所で改葬許可を得ます。「改葬許可申請書」に既存の墓所の管理者の署名をもらい、新しい墓所の「受け入れ証明書」(「永代使用承諾書」で代用できる場合もある)といっしょに市区町村役所に提出します。申請書は、遺骨1体につき1通必要です。このほか、既存の墓所の埋蔵証明書(遺骨1体につき1通)が必要な場合もあります。共同墓地にある墓、家の敷地内にある家墓、畑の一面にある町墓地の場合は、市区町村役所に連絡して手続き方法を確認します。許可証の申請は代理人に依頼することもできますが、その場合は申請者の直筆による委任状が必要になります。
古いお墓の御魂抜きと新しいお墓の開眼法養
既存の墓所は改葬後は更地に戻さなければなりません。墓石の解体は業者に依頼します。解体前には僧侶に依頼して御魂抜きの儀式(閉眼供養)をします。埋葬されていた遺骨は骨壷に入れて移動します。新しい墓所では御魂入れの開眼法養をします。これは墓石を宗教的に意味のある存在にするための儀式です。墓前で儀式を行い、場合によっては納骨も同時に行います。
墓石も移動するとき
改葬の際に、今あるお墓の墓石を、そのまま新しい墓地に移したい場合は、まず、墓石のサイズに合う広さの墓地を選ぶことが必要です。また、新墓地の石材店に既存の墓所を実際に見てもらって、外柵や石塔など、どの部分を新墓地に移すことができるかを判断してもらいます。墓石の移動は、既存墓地の寺院や霊園の指定する石材店に依頼するか、新墓地の石材店に出張してもらいます。
仏壇の基礎知識
仏壇の中心、本尊は宗派により異なる
仏壇の中心は先祖の位牌ではなく、本尊です。本尊は仏教の各宗派の根本的な考えをあらわしたものであり、仏壇の中心に安置されます。本尊は菩提寺(その家が属する寺)の宗派により異なり、普通は立像や座像、掛け軸などですが、絵像や名号の宗派もあります。本尊の両側には、両脇仏を飾りますが、これも宗派によって異なります。仏壇に先祖の位牌を祀るようになったのは、亡くなった人はすべて成仏するという仏教の考え方によるものです。ただし、浄土真宗では位牌は用いません。
本尊・両脇仏のほか、位牌、過去帳、仏具をおく
本尊を安置する場所は須弥壇と呼ばれ、聖域を意味します。須弥壇は仏教の世界で中心にそびえ立ち、最も高い位置をあらわす須弥山をかたどっています。仏壇はこの須弥壇を中心に構成されますが、宗派によって本尊の種類や数も違い、仏具の置き方にも違いがあります。仏壇には本尊、両脇仏のほかに、位牌、過去帳、(先祖の仏名、死亡年月日、俗名などが書いてある)をおきます。供え物のための仏具や、読経や礼拝のための仏具も必要です。一般的な仏具としては、燭台、香炉、花立て、線香立て、茶湯器、仏飯器(炊きたてのご飯を盛って供える器)、高つき(高脚のついた塗りの器。半紙を敷いて菓子や果物などの供え物を盛る)、読経に必要な教本、鈴、鈴台、鈴棒などがあります。香炉(香)、花立て(花)、燭台(灯明)は三具足といって宗派を問わず、仏具として欠かせません。法事などの正式な儀式を行うときは、燭台と花立てを一対にし五具足とします。
仏壇の種類と安置の仕方
仏壇の大きさと材質による種類
一般に市販されている仏壇には、さまざまな大きさのものがあり、大きく分けると、たんすの上にもおける小型の上置きタイプ、半間で地袋つきの仏間用、半間の仏間用、一間の仏間用の大型タイプ。大きなものだと高さが大人の背丈ほどもあり、幅も1メートルほどになります。材質は大別して塗り仏壇(金仏壇ともいう)と唐木仏壇の2種類に分けられ、塗り仏壇は、主に杉、松、ひのきなどを用い、漆塗りに金箔を施して華やかにしあげてあります。比較的、関西や中部地方に多い仏壇です。唐木仏壇は、金箔を使わずに、黒檀、紫檀、刀木、桑、けやき、桜、くるみといった、重くて耐久性のある材質を使い、木目を生かして作られています。塗り仏壇よりは小型なもにが多く、主に関東中心に使われています。また、最近では新素材を使った仏壇や、リビングにもおける家具調の仏壇などもあります。価格は大きさや材質などによってさまざまですが、安いものでは数万円くらいから、高いものでは数百万円、数千万円のものもあります。平均的には30万から50万円くらいです。
仏壇は落ち着いて礼拝できる場所に安置する
仏壇を安置する場所については諸税あり、南・東・西向きがよいとされていますが、現代の住宅事情を考えると、必ずしも向きにこだわる必要はありません。家族が集まるのにふさわしく、落ち着いて礼拝できる場所を選びます。湿気のある場所、直射日光の当たる場所は避けます。仏壇はすわって礼拝するときに、本尊が目線の高さより、やや上になるようにおきます。立って礼拝する場合には胸の高さより上になるようにします。神棚がある場合は、神棚と向かい合わない位置におきます。
安置場所のいろいろ
仏壇の安置場所については、諸税あり、それぞれに長所があります。南面北座説 南向きにおく考え方。直射日光が当たらず、風通しがよく湿気も防げる。本山中心説 仏壇に向かって正座合掌したとき、宗派の本山がある方向と同じになるようにおく。西方浄土説 東向きにおくと、拝むたびに西方極楽浄土があるとされる西のほうに顔を向け礼拝できる。
仏壇の拝み方と手入れ
毎日の基本的な礼拝の作法
毎日の礼拝は、次のように行います。
- 仏壇の前に正座し、数珠があれば手にかけ、軽く一礼します。その日が先祖の命日であれば供養します。
- ろうそくに火をともし、その火で線香をともして香炉に立てます。鈴を2つ打って鳴らし、合掌します。
- それぞれの宗派の経を唱え、終わったら鈴を2つ打ち、合掌して深く礼拝します。読経しない場合は2度目の鈴は鳴らしません。
- 最後にろうそくの火を手であおいで消し、軽く一礼して終わります。
鈴は仏様の心と自分の心を一如にする、という意味で2つ鳴らします。最初は軽く、これは仏に滋悲を願う意味合いです。2つ目はやや強く、これは自分自身の信仰と仏への帰依を誓う心をあらわします。朝の礼拝では普通、線香は3本上げます。3本というのは仏と先祖と自分の信心を願うという意味からで、宗派によっては1本の場合、折って横におきますが、心身を清めて合掌する意味合いは同じです。
命日やお彼岸、お盆前は手入れを念入りに
仏壇や仏具は日ごろから簡単なからぶき程度の掃除をして、ほこりがたまらないようにします。故人の命日やお彼岸、お盆の前など、年に何回かは念入りな掃除を行います。念入りな掃除を行う前には本尊に合掌いし、礼拝します。本尊や掛け軸などは羽ぼうきや筆先でほこりを払います。仏具類はやわらかい布でからぶきしますが、仏飯器や茶湯器、花立てなどは、内側、底などをていねいに洗い、水けを残さないように乾いた布でふきとります。金具類は金属みがき剤を使ってきれいにします。漆塗りや金箔の部分は汗や手の脂がつかないように、薄い手袋や薄い布などを使い、手で直接ふれないようにして毛ばたきでほこりを払い、ガーゼのようなやわらかい布で軽くふきます。燭台についたろうをとり除き、香炉の灰なども燃え残りを除きます。
日々の礼拝の仕方
日常の礼拝は、仏壇に供物・供花などを供え、毎朝晩に灯明をともし、線香を上げたあと読経するのが基本ですが、場合によっては読経を省いてもかまいません。朝は朝食前に、晩は夕食後に、できれば家族そろって行うのが正式です。朝は炊きたてのご飯を供え、お茶や水も、毎朝新しいものを供えます。どちらも夕方までには下げるようにします。旬のものやいただき物のお菓子などは、まず仏壇に供えてから、お下がりをいただきます。
- 朝起きて顔を洗ったあと、朝食前にお茶または水と、炊きたてのご飯を供える。
- 灯明をともし、線香を上げる。
- 数珠をかけて正座し、手を合わせて念仏やお題目を唱える。できればお経をあげる。礼拝後は灯明を消す。
- 二重扉の仏壇は内扉だけを閉める。寝る前に同様に礼拝し、扉を閉める。
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